フルートの音が出るようになったから、ビブラートをかけてもっときれいな音色で吹いてみたい!
ビブラートをかけた音色は、フルートを演奏する上で必要不可欠ですし、醍醐味でもありますよね。でも、急いで練習するのは注意が必要です!
フルートの美しい音色をさらに引き立てて、曲調に合わせた表現をプラスできる「ビブラート」。
まだビブラートがかけられない・・という人には、憧れの技術の1つかもしれませんね。
そこで今回は、ビブラートはいつから練習をしてもいいのかということやビブラートの練習方法、コツや注意点など気になるポイントを紹介します。
〈この記事がおすすめな人〉
- ビブラートをいつから練習していいか気になっている人
- ビブラートの上手なかけ方が知りたい人
- ビブラートを練習しているけれど綺麗にできない人
ぜひ美しいビブラートをマスターして、憧れの曲を楽しく演奏してみましょう!
フルートのビブラート練習はいつから始める?
はじめに、フルートのビブラート練習はフルート初心者でも始めていいものでしょうか?
ビブラートを練習し始める目安をご紹介します。
年齢や練習期間はあまり関係ない
フルートのビブラートをかけていいかどうかについて、年齢や練習期間はあまり関係ありません。
小学生や中学生などでも技術があればビブラートをかけられますし、習い始めたばかりでも基礎がしっかりとできれいればビブラートを練習し始められます。
ビブラートを練習し始めてもいい基礎の目安について、以下で解説します。
ロングトーンを音程や音量がぶれずにできる
ビブラートを練習し始める目安の1つは、ロングトーンを安定して吹けることです。
メトロノームでBPM60を鳴らしながら、8拍、12拍、16拍と長くロングトーンの練習をしてみましょう。
その際に、だんだんと音量が小さくなってしまったり、音程がぶら下がってきたりせずに真っ直ぐきれいな音色を鳴らし続けられるならロングトーンがぶれずにできていると言えます。
吹きやすい音量からはじめて、f(フォルテ)やp(ピアノ)などさまざまな音量で吹けるように練習してみてください。
音量調節や息のコントロールができる
ロングトーンともつながる話ですが、フルートを吹く中で自分の思い通りの音量を調節できたり、鳴らしたい音の印象に合わせた息のコントロールができたりすることがビブラート習得のタイミングとなります。
反対に、これらが難しいと感じる人や、大きな音を鳴らさないときれいに楽器が鳴らないという人は、まだビブラートを練習するのは早いかもしれません。
ビブラートは安定した音が出せる上で、わざと音を揺らす必要があるので、元々音が揺れている状態で練習してしまうと安定した音が鳴らせなくなってしまうので注意してくださいね。
フルートのビブラートをきれいに出す練習方法
それでは、ビブラートを習得してもいいタイミングだった人が、どのように練習していくかを詳しく紹介します。
まずは4分音符をノンタンギングで吹く
フルートのビブラートは、基本的にお腹からの息で音を揺らします。通常、4分音符で音を切る場合は舌を使ってタンギングを行いますが、ビブラート練習をする場合は4分音符をお腹の息だけで区切る練習をしてみましょう。
腹式呼吸をしていると、息を吸うとお腹が膨らみ息を吐くとお腹が凹みますよね。
4分音符をノンタンギングで吹くと、「フッ」と息を吐いて音を切る際にお腹が凹み、次の音符までに息を吸うことでお腹が膨らみます。
このお腹の動きを意識して、「フッフッフッフッ」というように息をして音を区切ってみましょう。
楽器を吹く前に、息を吐く練習だけを始めてみるのもおすすめです。楽器を吹くときは、中音の「ラ」が最も安定して吹きやすいのでこの音から始めましょう。
徐々に音符を細かくしていく
4分音符で中音の「ラ」をノンタンギングで区切れるようになったら、次は8分音符にします。
1小節に4つから8つに増やすので、単純にスピードは倍になりますね。
このように、徐々にスピードを上げて、3連符、16分音符と速いノンタンギングができるようにしていきましょう。
なるべく粒の大きさや強さを揃えるのが、きれいなビブラートを行うコツです。
それぞれの音を区切らずにつなげる
16分音符ぐらいまで安定したノンタンギングができるようになったら、それぞれの音符をノンタンギングでお腹は揺らしながら、息は途切れさせないようにします。
「フッーフッーフッーフッー」と音の揺れは作りつつ、口から出る息は常に途切れさせないのがビブラートの息遣いです。
譜面にするならば、音符をタイでつなぐようなイメージでしょうか?
揺らし方は曲や好みによってさまざまなので、いろいろと練習してきれいなビブラートを探してみましょう。
フルートのビブラートは喉で出してはダメ?
ビブラートの練習をする際に、喉でかけてはダメと聞いたことがあるかもしれませんが実際はどうなのかについて紹介していきます。
フルートのビブラートの基本はお腹からの息で出す
フルートのビブラートは、先ほどの練習からもわかるように、基本的にはお腹からの息を使って作ります。
お腹からかけるフルートは奥行きがあり、幅の大きいダイナミックなビブラートなのが特徴です。
ひとまずは、お腹の息でかけるビブラートを習得するのが大切です。
基本ができるようになったら喉も使って表現の幅を出す
ただし、基本のお腹からのビブラートをマスターした人は、喉のビブラートも適宜使用するといいでしょう。
喉でビブラートをかけることで速いビブラートをかけられるので、曲のイメージに合う表現ができるようになるのが魅力です。
また「今はお腹で」「今は喉で」と使い分けるというよりは、だんだん自然とさまざまな筋肉を振動させて鳴らしたいビブラートが表現できるようになってきます。
さまざまなフルーティストのビブラートを聞いて、自分の好みの表現を探してみるのもおすすめです。
いわゆる「ちりめんビブラート」はNG
ただ、喉でビブラートをかけると、細かい震えのいわゆる「ちりめんビブラート」になってしまう人も多いです。
ちりめんビブラートは響きも悪く、ただ震えている不安定な音に聞こえてしまいやすいので、音楽的ではありません。
喉でかける場合でも、きちんと深みや響きのある音色が出せるように練習してみましょう。
フルートのビブラートをきれいに響かせるコツ
ここまで紹介したビブラートを、きれいに響かせるために意識したいコツを紹介します。
曲の印象に合わせて抑揚や回数を調整する
ビブラートは音楽の表現力を深める要素の1つです。
曲の印象や感情に合わせて、ビブラートの抑揚や回数を調整することが重要です。
静かで優雅な部分では繊細なビブラートを、情熱的な部分では力強いビブラートを効果的に使い分けましょう。
音楽の印象に合わせて感情を込め、その瞬間をより美しく彩りましょう。
テンポの速い曲は1音ずつかけようと思わなくてOK
ビブラートは1音ずつかけることが一般的ですが、テンポの速い曲では無理に1音ずつかけようとすると息切れや音程の乱れが生じることもあります。
その場合は、複数の音を1つのビブラートでまとめるのがおすすめです。
大きなフレーズの中で、きれいな響きになるようにビブラートのかけ方を考えてみましょう。
フレーズの最後の音をビブラートで抜きながら終わらせることで、まとまりがよくなりますよ。
アンサンブル・楽団など複数で吹くなら音程も意識する
アンサンブルや楽団で演奏する場合、協調性が求められます。
ビブラートをかける際には周りの楽器との調和を大切にし、音程を意識することが重要です。
他の楽器と一体となり、全体のまとまりを作り出すことで、美しい音楽が生まれるのを楽しみましょう。
反対にソロなどの場面では、美しいビブラートで音色を引き立てることで、よりフルートを引き立てることができますよ。
フルートのきれいなビブラートは音楽教室でプロに学ぼう
フルートのビブラートは独学でも練習することができますが、効率よくできるようになるためにはプロに基礎を教えてもらうのがおすすめです。
また、独学でビブラートをかけようとすると、安定感のないふにゃふにゃとした音色を吹くクセがついてしまう恐れもあります。
さまざまな音楽教室がありますが、こちらのブログではそれぞれに特徴の違う3つの音楽教室を比較しておすすめポイントを紹介しています。
自分にぴったりの音楽教室はどれかな?と考えながら読んでみてくださいね。
フルートのビブラートを習得してきれいに響かせよう
こちらの記事では、フルートのビブラートはいつからかけていいのかということや、基本的な練習方法、上手になるためのコツなどを詳しく紹介しました。
フルートのビブラートは憧れの技法の1つですが、安定した音が鳴らせないうちは、安定したノンビブラートのロングトーンを優先してくださいね。
まっすぐな音色を鳴らせるようになったら、ぜひさらに魅力的なフルートの音色を作れるようにビブラートの練習をしてみてはいかがでしょうか?
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